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歯列矯正で抜歯は何本必要?よくある症例とその理由を解説

2025年4月28日 (月)

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歯列矯正を検討する際、「抜歯が必要になるのか?」「何本抜くのか?」という疑問をお持ちの患者さまは少なくありません。特に抜歯の本数については、治療に対する不安や抵抗感を抱く大きな要因の一つです。

実際の治療では、小臼歯を上下左右1本ずつ、合計4本抜歯するケースが一般的ですが、すべての方が同じ本数を抜くわけではありません。歯並びや噛み合わせの状態、あごの大きさなどをもとに、最適な治療方針が決定されます。本コラムでは、歯列矯正で抜歯する本数の目安や、よくある症例とその理由をわかりやすく解説します。

 

▼歯列矯正の抜歯の本数

はじめに、歯列矯正の抜歯の本数の基本事項を確認しておきましょう。

 

◎小臼歯4本を抜く一般的な症例とその理由

歯列矯正で抜歯が必要になる代表的なケースでは、第一小臼歯を上下左右1本ずつ、計4本抜歯する方法が採用されることが多くあります。これは「便宜抜歯(べんぎばっし)」と呼ばれる、歯並びや噛み合わせを改善するために行う計画的な抜歯です。

◎なぜ第一小臼歯を抜くのか

第一小臼歯は、前歯と奥歯の中間に位置するため、抜歯によって得られるスペースを前後の歯に均等に配分しやすく、歯列全体を効率よく動かすことが可能です。また、咀嚼機能への影響も比較的少なく、噛み合わせを保ちながら矯正を進めることができます。

 

▼4本抜歯が選ばれる症例の特徴

以下のような場合に、上下左右4本の抜歯が必要と判断されることがあります。

 

歯の大きさに対してあごが小さいケース:歯が並ぶためのスペースが不足し、重なり合って歯列不正(叢生)が生じている場合。

出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突):口元の突出感を改善するために、前歯を大きく後退させる必要があるケース。

上下の噛み合わせがずれているケース:噛み合わせを正しく整えるために歯列全体を動かすスペースが必要な場合。

このように、見た目だけでなく機能的な問題も併せて改善するために、4本の抜歯が最も効果的と判断されることがあります。

◎抜歯による副作用は?

便宜抜歯は、医学的根拠に基づいた処置であり、経験豊富な矯正専門医の管理のもとであれば、歯茎や噛み合わせへの悪影響はほとんどありません。ただし、必要のない抜歯を行ってしまうと歯列が不安定になることもあるため、適切な診断が何より重要です。抜歯による副作用が怖いという方は、いつでもお気軽に当院までお問い合わせください。歯列矯正に伴う抜歯の副作用についてわかりやすくお伝えします。

 

▼歯列矯正で何本抜歯するかは何で決まる?

次に、歯列矯正における抜歯の本数を決める要因について解説します。

 

◎便宜抜歯の本数を決める要因とは

歯列矯正で抜歯が必要かどうか、また何本抜歯するのかは、患者さま一人ひとりの口腔内の状態によって異なります。以下に、抜歯の必要性や本数を決定する代表的な要因をご紹介します。

【要因1】あごの大きさと歯の大きさのバランス

最も基本的な判断基準は、あごの骨に対して歯の大きさが適正かどうかです。あごのスペースに対して歯が大きすぎると、歯がきれいに並ぶことが難しくなり、抜歯によってスペースを確保する必要が生じます。逆に、あごが大きくて歯が小さい患者さまの場合は、非抜歯でも整った歯列を作ることが可能です。

【要因2】症状の種類や重症度

叢生(ガタガタの歯並び):スペースが足りない場合が多く、抜歯が必要になることがあります。

出っ歯:口元の突出感を改善する目的で、前歯を引っ込めるために抜歯が選ばれることがあります。

過蓋咬合(かがいこうごう)や開咬(かいこう):噛み合わせの問題に対応するために、抜歯を伴う矯正が有効な場合もあります。

【要因3】虫歯や歯周病などの歯の状態

便宜抜歯では健康な歯を抜くのが原則ですが、もしすでに虫歯が進行していたり、歯茎の状態が悪い歯があったりすれば、矯正の際にその歯を優先的に抜くこともあります。

◎子供の場合は成長発育を考慮した判断が必要

子供の矯正治療(小児矯正)では、あごの成長を促す1期治療によって、スペース不足を改善し、抜歯を回避できることもあります。成長期のうちに適切な治療を行えば、将来的な抜歯のリスクを抑えることができます。

 

▼歯列矯正の抜歯本数のバリエーション

4本抜歯以外にも、以下のようなパターンがあります。

 

上下どちらかのみ2本抜歯:軽度の出っ歯や、上下のバランス調整が必要なケース。

1本だけ抜歯:左右非対称な歯列を改善するために行うことも。

非抜歯:あごの拡大や奥歯の遠心移動(奥に動かす処置)でスペースを確保するケース。

矯正装置の種類(ワイヤー矯正、マウスピース矯正)によっても、抜歯の選択肢が異なる場合があります。マウスピース矯正は非抜歯を前提とすることが多いですが、難症例には適応できない場合もあるため注意が必要です。

 

▼まとめ

今回は、歯列矯正で抜歯は何本必要になるのかについて解説しました。歯列矯正で抜歯が必要になるか、また何本抜歯するかは、患者さまのあごの大きさや歯の並び、噛み合わせの状態などによって決定されます。第一小臼歯を上下左右で4本抜歯するケースが最も多く見られますが、必ずしもすべての患者さまに当てはまるわけではありません。矯正の目的は、見た目の改善だけでなく、正しい噛み合わせと健康な歯茎を実現することです。そのためには、正確な診断と信頼できる歯科医師の判断が欠かせません。歯列矯正をご検討中の方は、まずは専門の歯科医院で精密なカウンセリングを受けてみてください。

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