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歯列矯正で抜歯して後悔しないために知っておくべき5つのこと

2025年4月25日 (金)

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歯並びを整える歯列矯正は、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや歯の健康にも大きなメリットをもたらします。しかし、矯正治療を進めるうえで「抜歯が必要です」と言われ、戸惑う方も少なくありません。「歯を抜いて本当に大丈夫?」「将来、後悔しない?」と不安になるのは当然です。実際、抜歯後に後悔するケースもゼロではなく、その多くは事前の理解不足や誤解に起因しています。

そこで今回は、歯列矯正で抜歯して後悔しないために知っておきたい5つのポイントを歯科医師の立場からわかりやすく解説し、抜歯を回避するための方法についてもご紹介します。

 

▼歯列矯正の抜歯で後悔する5つの理由

歯列矯正の抜歯では、次に挙げる5つの理由から後悔する方もいらっしゃいます。そのため歯列矯正の抜歯を予定している場合は、以下の5つを正しく理解しておく必要があります。

 

  1. 健康な歯を抜いたことへの心理的抵抗

矯正治療で行う「便宜抜歯」は、健康な永久歯を計画的に抜歯することを指します。しかし、虫歯や歯周病などの疾患がない歯を抜くことに対し、「もったいない」「本当に必要だったのか」と治療後に疑問を抱く患者さまも少なくありません。特に親や周囲の意見が強い場合、治療後の精神的な後悔につながることがあります。

  1. 歯の本数が減ることによる不安

永久歯は基本的に28本あり、便宜抜歯では主に小臼歯(第一小臼歯)が対象になりますが、上下左右で計4本抜歯することもあります。歯の本数が減ることにより「噛みにくくなるのでは?」「将来の健康に悪影響はないか?」といった不安を抱える方もいます。ただし、医学的には咀嚼機能に大きな問題を生じることは少ないとされています。

  1. 頬がこけて老けた印象になることがある

歯列矯正によって歯を後方に移動させる際、唇や頬の支えが失われてしまうことがあります。これにより、顔貌が変化し「口元がさみしくなった」「老けたように見える」と後悔するケースも。特に抜歯矯正は、顔立ちへの影響が出やすいため、治療前にシミュレーション画像などで変化を確認することが大切です。

  1. 治療期間が思ったより長引いた

抜歯を伴う歯列矯正は、非抜歯と比べて歯の移動距離が長くなるため、治療期間が長くなる傾向にあります。治療開始前に十分な説明を受けず、途中で「まだ終わらないの?」と後悔することもあります。また、歯の動きには個人差があり、予想よりも時間がかかることもあります。

  1. 将来の補綴処置に影響が出る可能性

将来的に歯を失った際、インプラントやブリッジなどの補綴処置が必要になることがあります。その際、歯の本数が少ないことで治療計画に制約が出たり、噛み合わせのバランスがとりづらくなったりするケースも考えられます。こうした点も踏まえて、抜歯の判断は慎重に行うべきです。

 

▼歯列矯正で抜歯を回避する方法

歯列矯正の抜歯で後悔したくない、できれば抜歯を回避したいという方は、次の方法を検討してみましょう。抜歯を回避する方法には、小児期でなければ適応できないものもありますのでご注意ください。

 

  1. 顎の成長段階での早期矯正(子供のうちの矯正)

お子さまの矯正(小児矯正)では、顎の成長をコントロールすることが可能です。顎の大きさに対して歯が並ぶスペースが足りない場合でも、成長を利用することで抜歯を回避できることがあります。特に第一期治療(6〜10歳頃)では、歯並びや骨格にアプローチできるため、早期相談が有効です。

  1. 拡大装置を用いた歯列弓の拡大

歯の並ぶスペースが足りない場合でも、歯列弓(アーチ)を横に広げる「拡大装置」を使えば抜歯を避けられる場合があります。上顎の歯列拡大には急速拡大装置、下顎には可撤式装置などを使用し、顎を無理なく広げて歯が並ぶスペースを確保します。

  1. ディスキング(歯の側面の削合)

ディスキングとは、隣接面(歯と歯の接触面)をわずかに削って、歯列全体のスペースを作る方法です。1本あたり0.2〜0.5mm程度の削合を行い、歯を抜くことなくスペースを捻出します。歯の数が多すぎるわけではないが、わずかにスペースが足りないケースに有効です。ただし、過度な削合は虫歯リスクを高めるため注意が必要です。

  1. マウスピース矯正での非抜歯治療プランの検討

近年増えているマウスピース矯正では、歯のコントロールが比較的緩やかで、抜歯を伴わない治療プランも多く提案されています。AIシミュレーションにより、歯の動きやスペースを正確に予測できるため、患者さまの口腔状態に応じて非抜歯での矯正が可能かどうかを見極めやすくなっています。

  1. 精密検査と複数の専門医の意見を聞く

「本当に抜歯が必要なのか?」と疑問がある場合は、CT撮影やセファロ分析などの精密検査を受け、複数の矯正専門医にセカンドオピニオンを求めるのも一つの手段です。歯茎の状態、顎骨の形状、歯の位置関係などを総合的に判断し、より適した治療方針を選択することで、治療後の後悔を防げます。ちなみにセカンドオピニオンは、すべての患者さんが有している権利ですので、ためらわずに行使していきましょう。

 

▼まとめ

今回は、歯列矯正の抜歯で後悔しないために知っておくべき5つのことを解説しました歯列矯正における抜歯は、患者さまの口腔内状況や治療方針に基づく医学的判断により行われます。しかし、後悔するケースの多くは、事前に十分な説明や理解がなかったことが要因です。抜歯の必要性に納得できない場合は、他の治療法や非抜歯の選択肢についても相談し、自分にとって最良の方法を選ぶことが重要です。大切な歯を守りつつ、納得のいく歯列矯正を進めるためにも、事前の情報収集と慎重な判断を心がけましょう。

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